おたふくかぜはワクチンで予防することが大切です!

 「おたふくかぜ」は、流行性耳下腺炎(ムンプス)ともいいます。ムンプスウイルスというウイルスにかかると発症します。

 かかっても軽症の場合が多いのですが、重い合併症を起こすこともあるので予防接種を受けることがとても重要です。

 世界の多くの国では、予防接種を定期接種(2回)で受けているため、流行はあまりありません。しかし、日本では任意接種ワクチンであるため、「おたふくかぜ」にかかり、重い合併症で苦しんで方もいます。

 「おたふくかぜ」は、2~3週間の潜伏期の後に、両方またはどちらかの耳下腺がはれてきます。しばらくすると反対側もはれてきます。発熱はあることもありますが、ないこともあります。「おたふくかぜ」にかかっても症状が出ない(不顕性感染)場合もあります。耳下腺の腫れは通常は3日でピークを超えます。発熱やその他の症状も3~5日程度で良くなることが多いです。

 「おたふくかぜ」は第2種の感染症に定められており、耳下腺、顎下腺又は舌下線の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで出席停止とされております。

 おたふくかぜにはいろいろな合併症があり、無菌性髄膜炎や精巣炎・卵巣炎、そして一生治らない重度の難聴になることがあります。約1,000人に1人の割合で難聴を引き起こすことがあるといわれております。

 おたふくかぜには特別な治療法はありません。そのため、繰り返しになりますが、おたふくかぜワクチン(任意接種・生ワクチン)で予防することがとても重要です。1歳で1回、1回目の接種後2~6年たったら2回目を接種するのがおすすめです。


高熱が持続するアデノウイルス感染症

 かぜの原因となる多くのウイルスの中でとても重要なウイルスの一つです。症状が比較的重く、いろいろな症状が出ます。高い熱が3~7日も続きます。


 アデノウイルスは、「プール熱」や「はやり目」と呼ばれている病気の原因です。「プール熱」は咽頭結膜熱、はやり目は流行性角結膜炎というのが正式の病名です。他に、肺炎、胃腸炎、膀胱炎、発疹などの様々な症状を引き起こします。初めは咽頭扁桃炎であっても遅れて結膜症状が出てくることもあります。アデノウイルス胃腸炎は季節に関係なく発症します。


 いろいろな症状を引き起こす理由は、アデノウイルスは現在のところ51種類に分類されており、それぞれに異なった性質を持っているからです。例えば、「プール熱」はアデノウイルス3型・4型で発症しやすく、「はやり目」はアデノウイルス8型の感染で起こりやすいです。


 アデノウイルスは感染してから約5~7日の潜伏期間をおいてから発症します。感染の疑いのある人と接触すれば「1週間」は要注意です。アデノウイルスは非常に感染力が強い!インフルエンザと同じぐらいの感染力とも言われてます。


 感染経路はくしゃみなどによる飛沫感染および便などからの糞口感染がほとんどです。プールに入らなくても飛沫や糞便を通してこの病気に感染します。予防法としては、うがい、石鹸による手洗い、タオルの共用を避ける、水泳前後のシャワーの励行、目を洗う、プールの塩素消毒などがあります。


 発熱・咽頭痛といった症状があれば検査をしましょう。周りにアデノウイルス疑いの人がいる場合は検査がお勧めです。のどが真っ赤になっていたり、扁桃に白い膿(白苔)がついている場合は疑いが強くなります。アデノウイルス簡易検査がありますので、10分ほどで診断が出来ます(当クリニックでも検査可能です)。


 咽頭結膜炎では、解熱後2日間は出席停止です。結膜充血を伴わないアデノウイルス咽頭扁桃炎では厳密には出席停止の対象ではないのですが、同様の対応をとっております。


 アデノウイルスに直接効果のある治療はありませんが、多くは5日前後で回復します。栄養をつけたり、休息をとるようにしてください。高熱が続き、ぐったりしているようであれば、鎮痛解熱剤を使用してください。高熱が長く続くため小さなお子さんは脱水状態になる可能性があり、その場合には入院が考慮されます。 


 また、アデノウイルスは子どもに多い病気ではありますが、大人にもうつりますので注意してください。


ロタウイルス胃腸炎はワクチンで防ごう!

 ロタウイルスは、主に5歳未満の乳幼児に感染して、下痢、はきけ、嘔吐、腹痛、発熱といった症状を起こします。人にうつりやすいウイルスです。保育所、幼稚園など乳幼児が多く集まるところで流行します。母親や家族にも感染することがあります。

 潜伏期間は24-48時間で、発症後およそ1週間は糞便中にウイルスが大量に排出され、まわりの乳幼児に感染します。例年、2月から5月まで流行します。生後6カ月から2歳までに初めてかかると重症化しやすく、高度の脱水をきたし、時に痙攣、まれに脳症を合併することがあります。大量の水様便、嘔吐が続く、高熱がある場合には点滴し、場合により入院させます。

 治療は脱水に対する水分の補充と、普段から食べなれたものを与える食事療法です。どちらも少量ずつこまめに与えて下さい。有効な治療法はありません。罹ると本人が辛いのはもちろんですが、ご家族にもかかったり危険があること、お子さんの看病のためご両親もお仕事を休む必要が出てくることもあり、ワクチンによる予防をお薦めします。

 現在のところは任意接種ですが、令和2年(2020年)10月1日から定期接種に指定されます。


ロタウイルスワクチンの接種方法

 ロタウイルスワクチンの対象年齢は、生後6週から生後24週(ロタリックス)または32週(ロタテック)までの間です。4週間以上の間隔をあけて2回(ロタリックス)または3回(ロタテック)飲むワクチンです。

 初回接種は生後6週から14週+6日までに行うことが推奨されています。これは、最も注意すべき副反応である腸重積症の発症を最小限にするためです。最終の接種時期もそれぞれ生後24週と32週に決まっており、その時期を超えて受けることはできません。

 主に重症化を予防するワクチンですが、発症そのものも減らすと考えられています。日本では2011年11月にロタリックス(2回接種)が、2012年7月にはロタテック(3回接種)が発売されました。ロタウイルスワクチンは任意接種(有料)ですが、重症化予防のためには受けておくことをお薦めします。令和2年(2020年)10月1日から定期接種に指定されます。

 ロタウイルスは神経系の合併症である脳炎・脳症を引き起こすことがあります。脳炎・脳症に罹患すると神経系の後遺症を残すことが稀にあります。

 他のワクチンと同じように、発熱や風邪などにかかっているあかちゃんにはワクチン接種できませんが、ロタウイルスワクチンでは腸重積になった事がある赤ちゃん、腸重積の発症を高める可能性のある未治療の先天性消化管障害(メッケル憩室など)があると診断されている赤ちゃんには投薬できません。担当医とご相談ください。


<副反応>弱毒化された生ワクチンのため、初回接種後に軽度の下痢や嘔吐などの胃腸炎症状が見られることがあります。不機嫌な状態が続く、嘔吐を繰り返す、便に血液が混じる(イチゴゼリー状)などの症状が見られたら、速やかに医師の診察を受けて下さい。腸重積は生ワクチンによってリンパ節が腫脹し、関与しているのではないかと言われております。

インフルエンザワクチンはとても大切です。

 インフルエンザは毎年、初冬から春先に流行します。急に高熱がでて、喉がいたくなり、鼻水、咳、頭痛や筋肉痛、関節痛、下痢や嘔吐など様々な症状がみられます。からだの抵抗力が弱い乳幼児では、脳炎や脳症という重い合併症で命を落としたり、重い後遺症に苦しむ場合もあります。


 インフルエンザを予防するためには、インフルエンエンザワクチンを接種することを強くお勧めします。ワクチンによって作られた免疫が病気を予防し、また感染した場合でも症状は軽く済むことが知られています。この数年、道内でインフルエンザ脳症で亡くなられた小児は、すべてワクチンは未接種でした。


 抗インフルエンザ薬では脳炎や脳症を防ぐことはできません。


 13歳以上の方は、1回接種が原則です。しかし、患者さんの状況によって、医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません。13歳未満の方は、2回接種が原則です。しかし、世界保健機関(WHO)においては、ワクチンの用法において、9歳以上の小児及び健康成人に対しては「1回注射」が適切である旨、見解を示しておりますので今後、日本でも接種スケジュールが変更になる可能性があります。また、インフルエンザワクチンが無料で受けられる国もあります。日本でも無料で打てるようになるとよいのですがね。


小児用肺炎球菌ワクチン

 肺炎球菌は健康な子どもでも鼻やのどにいる菌で、保育園などの集団生活が始まると数か月で多くの児が肺炎球菌を持つことになります。子ども、とりわけ2歳以下の子どもは肺炎球菌に対する免疫がほとんどありません。肺炎球菌は、普段はおとなしくしていますが、子どもの体力や抵抗力が落ちた時などに色々の病気をおこします。


 小児の肺炎球菌感染症は重症化することが多くなります。高齢者もかかりやすい病気です。脳を包む膜にこの菌がつく細菌性髄膜炎や菌血症、敗血症、重い肺炎や細菌性中耳炎などの病気を起こします。


 小児用肺炎球菌ワクチン導入前の日本では肺炎球菌による細菌性髄膜炎は年間200人くらい発生していました。潜在性菌血症をもっとも起こしやすいのが肺炎球菌です。潜在性菌血症は、高い熱以外に症状がないのに、血液の中に細菌が増えている状態のことです。菌血症から細菌性髄膜炎などになることがあります。ワクチン導入前の日本では年間約18,000人の子どもが菌血症にかかっていました。


 小児用肺炎球菌ワクチン(定期接種・不活化ワクチン)で予防することが推奨です。生後2か月から5歳まで(6歳未満)、とくに5歳になるまでのお子さんはすぐに受けるようにしてください。肺炎球菌による髄膜炎の起こりやすい生後6か月までに初回3回の接種を済ませておくようことが大切です。生後2か月を過ぎたらなるべく早くワクチンを接種しましょう。


不登校の陰に「起立性調節障害」

子どもの、次のような症状は、「起立性調節障害」かもしれません。

・朝に起きられない 

・たちくらみ 

・全身倦怠感 

・食欲不振

・立っていると気分が悪くなる 

・動悸

・頭痛

・夜になかなか寝付けない 

・イライラ感や集中力の低下


 小学校高学年から中学生の思春期前後の子どもでは、このような身体不調を訴えて小児科を繰り返し受診することがあります。

 起立性調節障害は、思春期で最も起こりやすい疾患の一つであり、頻度は約5~10%と大変に多いものです。急激な身体発育のために自律神経の働きがアンバランスになった状態と説明されています。


 人の身体は、起立すると重力によって血液が下半身に貯留し、静脈を経て心臓へ戻る血液量が減少し血圧が低下するので、これを防ぐために自律神経系の一つである交感神経が興奮して下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液量を増やし、血圧を維持します。

 しかし、自律神経の機能が低下した結果、このメカニズムが働かず、血圧が低下し脳血流が減少するため多彩な症状が表れます。例えば、めまい、動悸、失神のほか、疲れやすい、腹痛、吐き気、嘔吐、頭痛、胸痛、食欲不振、朝起きられないなどの症状がよく見られます。


<起立性調節障害の診断>

 下表の診断基準が以前からよく用いられています。方法は、10分間の起立負荷試験を行い診断します。「大症状3つ以上」「大症状2つと小症状1つ以上」「大症状1つと小症状3つ以上」のいずれかに該当し、他の疾患を除外できれば起立性調節障害と診断します。

<治療>

 規則正しい生活を心掛け、循環血液量を増やすため、十分な水分と塩分を摂取します。心臓へ戻る血液量を増加させるために、運動により下半身の筋肉量を増加させ、筋肉ポンプの働きを高めるようにします。

 薬物療法として昇圧剤や漢方薬を用いて治療します。


疲れるとすぐに吐いたりお腹が痛くなります(アセトン血性嘔吐症)

 疲れたり、ちょっと風邪をひいたりすると嘔吐を繰り返すお子さんがいます。アセトン血性嘔吐症と呼ばれますが、周期性嘔吐や自家中毒とも呼ばれます。


 2歳から10歳にしばしばみられ、思春期になると多くは自然に治ります。尿検査や血液検査によって診断が行われます。他の嘔吐の原因となる病気が隠れていないかを確認するために超音波検査が行われることがあります。


<症状>

食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛等を訴え、元気がなくなります。


<誘因>

 遠足や発表会、カゼをひいた時など、肉体的・精神的なストレスが引き金になります。夕食を摂取せずに眠った翌朝に起こりやすいです。


<なぜこのような状態になるのでしょう?>

人間の体のエネルギー源として、糖はとても大切な役割を果たしています。糖は、体の中では肝臓に貯蔵されています。でも肝臓にたくわえられている糖は数時間しかもちません。

特に 10 歳未満の子どもの場合、肝臓にたくわえることのできる糖が少ないためすぐに使い果たされてしまいます。糖が足りなくなると、体はエネルギー源として体の脂肪を分解します。しかし、体の脂肪分を分解してエネルギーを生み出すときは、ケトン体という副産物ができます。ケトン体は酸性なので、血液は酸性に傾き、吐き気・腹痛・頭痛などの症状があらわれます。

尿検査をすると、ケトン体が陽性になります。低血糖を認めることもあります。


<治療>

 グッタリしたり、食欲不振時にはジュ-スや飴などの糖分を与えて、子どもに安心感を与えて熟睡させると改善します。吐き続けるようになったら、点滴が必要になります。吐き気止めや鎮静剤も併用します。嘔吐が止まると砂糖水、果汁などを少量ずつ与えます。


突発性発疹は2回なる?

突発性発疹は生後4~12カ月ごろ、母体からの移行抗体がなくなる頃に発症することが多いです。生まれて初めての発熱ということになることが多いです。


 ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)の初感染で発症すると言われており、突然40℃近い高熱がでて、3日ほど熱が持続したあと、解熱とともに体幹部を中心にした小紅斑が出現します。3日ほどで消失します。


 潜伏期はおおよそ10-14日です。2歳までに9割以上の子どもに感染するといわれておりますが、発疹が出現するのはそのうちで20%に過ぎません。


 咽頭所見として口蓋垂近傍に「永山斑」と呼ばれる小水疱が現れることがありますが、あまり多くはありません。


 突発性発疹に特異的な治療はありません。自宅での安静が基本となります。高熱をきたすことから熱性痙攣を起こすことがあります。多くは発熱だけで自然軽快します。


 HHV-6でなく、HHV-7でも同様の症状が起こります。HHV-7による発熱の好発年齢は2~3歳で、HHV-6とは時期がずれます。つまり「突発性発疹は1回やったら2度目はない」ということ全くありません。


日本脳炎ワクチンを忘れないで!

日本脳炎ワクチンを忘れないでください!

 日本脳炎のワクチンの定期接種のお子さんと特例措置の対象の方がしばしばワクチン接種のためクリニックに受診してくれます。特例対象の方については以下をご参照ください。

https://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f1kansen/nihonnnouen.html

 

日本脳炎は、北海道では馴染みがないかもしれません。日本脳炎は、日本脳炎ウイルスに感染したブタの血液を吸った蚊を介して日本脳炎ウイルスが人の体の中に入り、ヒトに重篤な急性脳炎をおこす可能性のある病気です。ブタ→蚊(コガタアカイエカ)→ヒトという感染経路です。人から人に感染することはありません。

患者さんの数は、近年では毎年10人以下で、西日本を中心に発生するに留まっています。北海道からの患者さんの発生はありません。北海道は、平成27年度まで「日本脳炎の予防接種を行う必要がない区域」として指定されていましたが、北海道のお子さんも、国内外で移動することがありますので、現在では接種がすすめられています。

名前は日本脳炎ですが、日本からフィリピン、インドあたりまで、東南アジアで流行しています(図をご覧ください)。日本脳炎のウイルスは豚の血液の中で増殖するので、養豚場の多い地域は注意が必要です。

(症状の経過)かかっても多くのヒトでは症状が出ません。しかし、数は少ないですが脳炎を発症すると死亡率は15%と高く、特に子どもや老人では死亡の危険性が大きくなります。また、命を取り留めても脳に障害を残すことが多い病気です。

(治療)日本脳炎に特別な治療はありません。発熱やけいれんに対しての管理を行います。

(予防)日本脳炎ワクチン(定期接種、不活化ワクチン)でしっかりと予防します。定期接種では、第1期は生後6か月から接種できますが、多くの地域では3歳からの接種となっています。1回目接種か6-28日あけて2回目、2回目から1年(最低6か月以上)あけて3回目、第2期は9歳から12歳に1回接種します(合計4回)。


水いぼは取る?取らない?

 自然に治癒することもありますが、長期間にわたる可能性があります。メリットとデメリットを考えて切除を検討してください。

※特殊な鉗子や局所麻酔薬テープを使うこともあり当院では切除をしておりません。

 伝染性軟属腫は伝染性軟属腫ウイルスによる感染症で、幼小児に好発する皮膚疾患です。一般的には「みずいぼ」と呼ばれています。皮膚に感染して発症するまでの潜伏期間が2週間~6週間程度あります。

 

【症状】

表面は硬く、平滑で中心に凹みのある、光沢を帯びた25㎜程度の小丘疹が生じます(画像を参照してください)。水いぼの周りには湿疹ができやすく(水いぼ反応)、かゆくて引っかき、更に広がることがあります(自家接種といいます)。

軟属腫は手の平、足の裏以外のいたるところにできます。特に、体幹および四肢で、特に胸部や脇下、上腕内側などの間擦部では自家接種により多発する傾向があります。

 

【感染様式】

患児との接触による直接感染が主ですが、保育所・幼稚園や学校のプール、スイミングスクールでビート板やタオルなどを介した間接感染もみられます。

外傷や乾燥など皮膚が障害されている部位から感染し、表皮細胞内でウイルスが増殖します。

特に、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患があると、皮膚のバリア機能が低下しているため感染しやすく、掻破によって急速に増加し、播種状になる場合もあります。

少数ですが成人例もあり、その多くは性感染症や免疫不全患者での発症です。大きな軟属腫を多発している場合はHIV感染を疑う必要があります。

 

【診断と検査】

上記で説明した特徴のあるいぼを肉眼的に確認することで診断します。

小児では通常、臨床検査は必要ありません。性的に活発な青年と性器病変のある成人は、他の性感染症の有無を評価する必要があります。

 

【学校とスポーツ】

日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会、日本小児感染症学会の4学会から統一見解が出されております。

幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ることもありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に感染することを考慮して治療します。健康な小児であれば、たいていは半年から一年程度で消失します。少数ですが、3年~5年くらいかかることもあります。

他の人と接触する可能性が高い領域の病変は、衣服または防水包帯で覆います。入浴は大丈夫ですが、タオルとスポンジは共有しないようにします。病変が衣服または包帯で覆われていれば、体が接触するようなスポーツも可能です。公共のスイミングプールの使用は可能ですが、タオルや水着、ビート板や浮き輪の共用を控えた方がよいです。学校を休む必要はありません。

あせも(汗疹)の管理

 「あせも(汗疹)」は赤ちゃんにも成人にもみられる皮膚の病気です。

 汗を排出する管が大量の汗(汗の成分やホコリ)によって詰まり、行き場のない汗が皮膚の中にたまって周囲の組織を刺激することで発疹ができます。詰まったところ(深さ)によって3つのタイプに分けられます。


紅色汗疹:一番多いタイプです。赤いぶつぶつができます。角質のすぐ下にある層が詰まることで発症します。1~3ミリから米粒大の大きさの湿疹や水泡がたくさんできます。皮膚が赤みを帯びます。


水晶様汗疹

 皮膚の一番外側にある角質層に汗がたまる事によって、白っぽい透明な小さな(1-2mm)水ぶくれができます。赤み、かゆみや、痛みなどは生じません。特に何もしなくても自然と汗がひくと一日から数日で治ります。

 新生児は汗管の発達が未熟なので、水晶様汗疹や紅色汗疹にかかりやすいです。

深在性汗疹

 深在性汗疹が発症するとその部分では汗が外に排出できなくなり皮膚が青白くなって盛り上がった状態の発疹があらわれます。比較的まれです。




 高温多湿な環境、激しい運動、発熱時、皮膚の閉塞(包帯や薬用パッチなど)があると汗疹はできやすいです。


対策

  • 涼しい環境への移動。
  • 通気性の良い衣類を着て皮膚の閉塞を防ぐこと。
  • 入浴の際に角質を取り除くこと。
  • 炎症をおさめるためにステロイド軟膏を塗る。
  • 感染を併発している場合には抗菌薬を投与。